油圧バルブ(電磁弁)の基礎 直動型とパイロット型について

油圧

前回、油圧バルブの大枠がどのようになっているか説明させて頂きました。(大枠の説明の記事はこちら

今回はその中でも「動作方式」について記事にしたいと思います。動作方式とはバルブの中にあるスプールがどの様な構造で動くのかによる分類です。

動作方式の種類

スプール型電磁弁の動作方式は2種類あります。それは

  • 直動型
  • パイロット型

です。

直動型

電磁弁のスプールを動かすのに、コイルの力を使用するタイプです。今まで説明してきたバルブは直動型です。

引用:ダイキンカタログ KSOシリーズより 

HK253F_G-016-pdf.pdf

上の絵が直動型のバルブになります。SOL=ソレノイドです。ソレノイドが励磁すると鉄心を押し、鉄心の先についているスプールが移動する。という仕組みになっています。

パイロット型

直動型が電気の力でスプールを移動させたのに対し、パイロット弁は油圧の力でスプールを移動させます。じゃ、その油圧はどこから来るのさ?となりますよね。

パイロット弁はバルブの上に直動型のバルブを乗っけており、直動型のバルブから出てきた油を使用してスプールを移動させます。

つまり直動型のバルブでは動かせないほどの大きなスプールを動かすわけです。よってパイロット型は大きなバルブに使用されます。

直動型のバルブを上に積載していますので、「親子弁」なんて言ったりします。

パイロット型のメリット・デメリット

メリット
  • 大きい圧力や流量を流すことができる
  • スプールの切り替え速度を調節できる
  • 圧力や流量に対し使用する電圧が小さい
デメリット
  • サイズが大きい
  • 振動が激しい
  • 直動型に比べ応答性が遅い

パイロット型は結局のところ直動型弁による操作なので、使用する電力が直動型と同一です。電力に比べ操作できる圧力と流量が大きいのが特徴です。また直動型バルブの下に減圧弁やスピコンを入れることが出来るため、パイロット弁のスプール切り替えの制御をすることが出来ます。

デメリットとしては、サイズが大きいことが言えるでしょう。パイロット弁の上にさらに直動型弁が乗るので、単純な直動型と比較すると一気に大きくなったと感じると思います。また流量が大きいので振動が強いためマニホールドを取り付ける台座の強度が必要です

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