油圧バルブ(電磁弁)とは、電気の力を使い油の方向を制御する油圧の制御系部品の内の1つです。油圧を使用する設備では必ずと言っていいほど使用されています。今回は電磁弁について記載しようと思います。
電磁弁の種類
電磁弁は大きく分けて3種類あります。
- スプール型:高圧で使用できる。内部でスプールが移動するので摺動摩耗が起きる。一番一般的な電磁弁。
- ポペット型:構造が単純でメタルシールでの切り替えのため、リーク量が少なく低粘度の作動油に使用もできる。応答性がよい。
- ロータリ型:回転することで切り替える。低圧に使用する場合が多い。
今回は、一番一般的で使用頻度の高いスプール型について記載します。
スプール型電磁弁の種類

自分の中で最高の出来のイラストです(笑)
スプール型とは、内部の凹凸のある棒(スプール)を横移動することで、方向を切り替えることが出来る方向制御弁です。スプールの切り替えには「ソレノイド」と言われる部分に電気を流すことで磁力を発生させ、「鉄心」を動かすことでスプールを動かす。という仕組みになっています。
ソレノイドの電気流す→鉄心動く→スプールが押され路が開く→油が流れる。とこんな感じですね。
ソレノイドバルブはポート数・ソレノイド・スプリング形式・スプール形状・動作方式・特殊仕様を選択する必要があります。
種類が多く大変ではありますが、使用するバルブはどんな機械を製作するかで限定されると思います。まず自分の会社が何を使用しているのか?から確認してみましょう。
ポート数
方向切替弁は接続できるポート数により、種類が変わります。

- Pとはポンプに接続されている部分。一次側の油を供給部する口です。
- A・Bはシリンダーに接続されている部分です。
- Tはタンクに接続されている部分です。油が役目を終えて帰っていく路です。
スプールは図面上では部屋で表されており、矢印は穴が開いている場所です。矢印に向きがありますが、内部構造では穴が開いているだけなので反対にも油が流れることが可能なので注意が必要です。つまり逆流をする可能性があるってことですね。
名称は左から2ポートバルブ・3ポートバルブ・4ポートバルブ・5ポートバルブとなります。
2ポートは出と停止を切り替えるのでシリンダーに使うというよりは、油を流すか否かに使用する場合が多いと思います。自分は正直使った経験はありませんが・・・・
3ポートは出と開放に使用します。単動のシリンダーに使用できると思います。
4ポートと5ポートはAまたはBに圧油を流すことが出来るので、複動シリンダーに使用できます。
スプールが切り替わった場合を図で説明すると、下記の図のようになります。図は5ポートの例です。

- 左側のスプール(部屋)の場合。シリンダーが「出」動作をする
- 右側のスプール(部屋)の場合。シリンダーが「戻」動作をする
Pから油が入っていきAorBに油が流れ、反対側からはTラインに戻っていくということです。
その他の項目について
今回は電磁弁のポート数について説明しました。その他の項目についても随時資料をあげたいと思いますので、ご興味があれば読んでみてください。
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