油圧の基礎 パイロットチェック弁の仕組み・構造

油圧

パイロットチェック弁の用途と構造について解説。

チェック弁とパイロットチェック弁

パイロットチェック弁の前に、普通のチェック弁について話をします。

普通のチェック弁は一方向の油は流すが、反対からの油はせき止めるという特性を持ち、主に逆流防止の役割を担います。

しかし、チェック弁では一方向にしか流れないPラインなどの逆流防止には使用できますが、シリンダーなどのどちらにも流れるラインに使用してしまうと

試運転で1度動作させた後は2度と動作することはできない・・・なんて状態になります。

普段はせき止めたいケド、流したいときもある。こういった条件でパイロットチェック弁が使用できます。

パイロットチェック弁の動作

パイロットチェック弁は一次側ポートと二次側ポート以外にパイロットポートが存在します。普段一次側から二次側は遮断していますが、パイロットポートに圧力が立つとチェックを開けるようになっています。図で記載すると下記です。

パイロットポート部に圧力が立っていないと、一次側は遮断され二次側に油は流れません。

遮断時回路図

パイロットポートを接続しているラインに圧力が発生すると、チェック弁を押し退け一次側から二次側に油が流れます。

パイロットポートに圧力発生時

パイロットチェック弁の内部構造

パイロットチェック弁の内部構造は下記図となります。

内部にはチェック弁の役割を行うスプリングとポペットがあります。パイロット部はピストンとスプリングが入っています。

自由流れ時(左から右へ)動作

最初はポペットが閉じており油の流れを妨げます。次第に圧力が上昇し、ポペットを抑えているスプリングに打ち勝つとポペットが上昇します

ポペットが上昇すると隙間が生まれるため、油が流れることが可能です。

遮断時からチェック弁を開く動作時

スプリングにて抑えている側に圧力が発生するため、更にポペットを抑えてしまいます。よって油は流れることができません。

パイロット部に圧が発生するとピストン(緑部品)がポペットを押し上げ隙間が発生します。結果右側からの油は隙間を通り、左側に流れることが出来ます。

パイロット部の圧が低いとポペットを押せず、油が流れない場合があります。そんな場合は面積比の大きいデコンプタイプを使用すると小さい圧力でも油を流すことができます。

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