
黒皮材 まとめ
黒皮とは
黒皮とは、熱間圧延加工→徐冷の工程にて形成された酸化被膜のことです。
黒皮は黒錆なので、悪い存在ではありません。よく目にする錆は通称「赤錆」といい、赤錆は害悪です。
黒皮の特性
黒皮は鋼材表面と空気の接触を防ぐため、黒皮成形の後は錆が発生しにくいです。あくまでしにくいなので、環境によっては錆は発生します。
黒皮自体は母材との密着力が弱いため、黒皮の上から塗装を行うと黒皮ごとはがれてしまいます。
またメッキも基本できません。
黒皮の厚み
鋼材により厚みが違うため一概には言えませんが自分の経験では
- 角パイプ 0.05mm
- t16以上の鋼材だと0.5~1.0㎜程度
と考えています。
冒頭でも記載した通り形によって厚みが違い、仕入れるメーカーによっても変わると思います。正確な値を知りたい場合は、実際の仕入れ業者に確認されるのがベストだと思います。
角パイプは平板を酸洗いしてから鋼材にしますので、黒皮が薄く仕上がっています。
黒皮の溶接
黒皮材を溶接するときは、溶接する箇所から20mmほどは黒皮を落とすことが好ましいです。
黒皮材を溶接部に溶け込ましてしまうとブローホールが発生し強度が落ちます。特にTig溶接する際には注意が必要です。
黒皮の豆知識
製鉄メーカーやサイズによって表面が黒色や青色、赤色の鋼材があります。この違いは各メーカの圧延温度や冷却速度の違いによって発生します。一般的に圧延加工は800℃~1200℃になりますが、この圧延温度が900℃以下の場合に鋼材表面のミルスケールが赤色になることがあります。冷却中に酸化が進み赤色のミルスケールが生成される為です。黒色のミルスケールは高温で圧延され、冷却も高い温度からゆっくり冷やされる為ミルスケールは黒色となります。
分かりやすかった黒皮の説
人工的に黒皮を発生させたり、比較したり、黒皮を食べたり・・・・
鉄が好きなんでしょうね。とても勉強になりました。
引用 YOU TUBE
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